頬に当たる風に冷たさを感じると、途端に恋しくなるのがファーの温もり。今季はトレンドでもあるファーアイテムが、バリエーション豊富に揃います。中でも注目は、〈デミルクス ビームス〉がイギリスのブランド〈アンノウン〉に別注したムートンコート。ドロップショルダーに、フロントはひとつボタンのデザインで、上品な印象と程よい抜け感をバランスよく落とし込んでいます。しかも、実はリバーシブル仕様という驚きの一着。スエード側で着用すると、襟元や袖から覗くファーの質感がさり気ないアクセントに。ファーを表にすれば、たちまちラグジュアリー感が増し、今季らしい装いへと導きます。長く着たい逸品だからこそ、自分のスタイルに寄り添ってくれる気の効いたアレンジが嬉しいものです。

ニューヨーク発のジュエリーブランド〈ヒロタカ〉。パリにてジュエリーの基礎を学び、その後宝飾業界で経験を積んだデザイナーの井上寛崇が2010年にニューヨークのソーホーでコレクションを披露。それ以来エディターやスタイリストの間で話題となり、現在はニューヨークの他、ボストン、ダラスそしてロンドンで展開しています。日本の職人がハンドメイドで生み出す、ミニマルな美しさを備えたジュエリーは、さまざまなスタイルやシーンに馴染みながら、上品なリュクス感をもたらします。今秋にはダイヤモンドにルビーをアクセントとして加えた〈デミルクス ビームス〉別注のネックレス、ピアス、リングを展開予定。さらに12月には期間限定アイテムも揃えたポップアップショップも予定しています。

履くだけで気分が上がるパンプスは、働く女性の必須アイテム。女性らしい足元を演出する甲浅デザインにこだわった〈デミルクス ビームス〉オリジナルのパンプスは、その履き心地の良さも魅力です。製作は、日本人の足に合わせた木型を使った日本メーカーによるもの。美脚効果があると言われる7.5センチヒールは、履いた時の重心バランスにも配慮して、セットバックヒールに仕上げました。さらに、インソールの前部に3ミリ厚の高反発素材を入れることで地面からの突き上げを軽減し、ヒールの高さを感じさせない履き心地を実現しています。抗菌・防臭効果がある中敷きや、靴を脱いだ時にも上品な印象をキープするブラックのインソールなど、細部へのこだわりも抜かり無く、まさに女性の希望を叶えてくれる一足と言えるのではないでしょうか。

今やさまざまなスタイルに対応するボトムスとして定番アイテムとなったデニムですが、今季新たに注目したいのは“ブラックデニム”。カジュアルな印象の強いブルーデニムに比べ、上品さのあるバランスの良いカジュアルスタイルを叶えます。〈フォンデル〉のデニムは、ブラックの色味が濃すぎて新品感が出ないよう、さらには薄すぎてカジュアル感が増さないよう、絶妙なブラックトーンを追求した〈デミルクス ビームス〉の別注。ダメージ加工も、上品さを損なわない加減にこだわりました。また、〈リー〉の人気モデル『スリムテーパード』にも、今季は別注ブラックが登場します。シックな装いにも調和し、程よい抜け感をプラスしてくれるブラックデニムを、ぜひワードローブに加えてみてはいかがでしょうか。

イタリアの代表的なテーラーリングファクトリー「ジャンフランコ ボメザドリ」の最高級ラインとして誕生した〈パイデア〉。ギリシャ語で「しつけ、教養、教育」を意味するその名には、服に関する教養や、エレガントな着こなし方を提案するという思いが込められています。今回はエクスクルーシブのボディを使い、ラペル形状やゴージ位置、ポケット位置、袖の太さの修整からパンツのシルエットに至るまで完全別注しています。生地は重厚感のある、ヘビーオンスの英国生地が中心ですが、ノーパッドの仕上げで、軽く立体的な着心地を実現しています。上衿など各部にハンドワークが盛り込まれたスーツには、いわゆるビジネススーツの堅苦しさはなく、メンズウエアのエレガント志向を反映した、新鮮な印象です。

現在も著名ラグジュアリーブランドの服を数多く手がけている〈ヘルノ〉が、最も得意とするオーセンティックな雰囲気のステンカラーコート。現存する最古の手織物メーカーであるイタリア・ピアツェンツァ社のカシミア100％の生地を使用しています。この生地はドロップグライドという糸から撥水加工を施した、いわゆる撥水のカシミア。その撥水性は後加工のものよりも機能が低下しづらく、上質な肌ざわりとともに、高い機能性も有しています。シンプルなデザインだからこそ、カシミア特有の柔らかなドレープ感がより際立ちます。スーツスタイルだけでなく、カジュアルシックな着こなしにも活躍する逸品です。

日本の熟練職人が手がける、高い品質のレザーアイテムで定評がある〈ファーロ〉。今シーズンより、イタリア製のバッグを展開する新ラインが登場します。使用されているナチュラルなシボが美しい牛革は、しなやかな質感で、イタリアらしい発色の良さも魅力。そして細部にもこだわったつくりが盛り込まれています。革断面を磨き、塗料を塗る作業を最低3回は繰り返すというコバ部分は、自然なツヤが生まれるとともに、経年変化に強く、丁寧な職人仕事がもたらす品質が端的に表れています。また、表には見えない芯材やそれを固定する糊なども吟味し、全てにおいて高い品質が追求されています。その一方でスタイルは実にオーセンティックで、さまざまなシーンで活躍する、汎用性の高さも魅力です。

カジュアルスタイルに映える靴として人気が高い、フランスのシューズブランド〈パラブーツ〉から、セミドレスラインのダブルモンクストラップが登場。〈パラブーツ〉の特徴でもあるノルヴェイジャン・ウェルテッド製法はそのままに、ステッチやウェルトなどをアッパーにあわせた色づかいにして、無骨な印象を抑えています。アッパーには繊細な表情のスコッチグレインレザーを使い、エレガントなカントリーテイストを演出しています。ソールは同社オリジナルのラバーソールを、厚すぎない適度のボリューム感で使用。スマートさと使い勝手の良さを巧みに共存させています。全体から漂うシックな雰囲気は、従来の〈パラブーツ〉とはひと味違ったものに。カジュアルなシーンはもちろん、ジャケットスタイルなど、さまざまな着こなしが楽しめそうです。