今季の"本気買い"総まとめ

一見大きく変わらないようで、実は刻々と変化するクラシックファッションの世界。その機微を丹念に分析し続けるクリエイティブディレクター・中村達也が、"これぞ"と太鼓判を押す今季の注目トピックをお伝えします。

Photo / Osami Watanabe (Sammy Studio) Styling / Akihiro Shikata
Hair&Make-up / Takuya Baba (Sept) Model / David

"気張らず洒落る"が2020年の鍵。

"気張らず洒落る"が2020年の鍵。

今、クラシックファッションは大きな転換期を迎えつつあります――前号のMR BEAMSでこうお話ししましたが、今年はその傾向がさらに強まっていると感じています。イタリアン一辺倒のスタイルはすでに過去のものとなりつつあり、イタリアのものづくりに他国のテイストをミックスすることが“時代性”を表現するうえで不可欠になってきました。少し前から続く英国ミックスに加え、昨シーズンから盛り上がりを見せるフレンチトラッド、さらに今季はアイビーやプレッピーなどアメリカンテイストのミックスも注目されており、さまざまなテイストが共存する時代になっているのです。
 そしてもうひとつ、見逃せない傾向があります。それが“気張らず洒落る”ムード。イタリア濃度100%なスタイルからの脱却もこれに含まれますが、今季の注目アイテム全体を見渡してみても、その流れを見て取ることができます。
 まず、この春夏を象徴するのがリゾートテイスト。ニュートラルカラーのスーツ&ジャケットやスエードブルゾンなど、古き良き欧州のリゾートスタイルを彷彿させるアイテムに注目が集まっています。ここで重要なのがその着こなし方。例えばニュートラルカラーのスーツは派手な差し色を使わず、全身をナチュラルトーンで統一してサラリと着るのが今季流です。
 また、クラシック&トラッドなアイテムを固定観念にとらわれず、自由に着てみることも大切です。セオリーでこってりと塗り固めた服装はもはや古い。伝統的なアイテムだからこそ、柔軟な発想でアップデートする必要があるのです。
 そして、鮮やかな色使いが復権しているのも今季の特徴。ただしこれもゴテッと飾らず、極力サラリとシンプルに着こなすのがこなれて見える秘訣になっています。
 今、大人のスタイルも肩の力を抜いて自然体で着こなす時代。気負いを捨て、純粋に“楽しむ”ことが一番のポイントといえるでしょう。

談: 中村達也

ビームス クリエイティブディレクター

Chapter1

今季の象徴的スタイルは
"決めすぎないリゾート"

かつてヨーロッパの高級避暑地で見られたような、古き良きリゾートスタイルを現代的にリファインした装いが2020年春夏の象徴。とはいえ、コテコテに盛って決めすぎず、肩の力を抜いて自然体に着こなすのが"今"を表現する秘訣です。

「サラリと着る白」が
今、最高に新鮮

上品なリゾートテイストが今季の⼀⼤ 潮流となる中、その筆頭格として注⽬されているのがニュートラルカラーのスーツやジャケット。難易度が⾼く感じがちですが、気張らずサラリと着れば意外なほど簡単に取り⼊れられます。ポイントはニュートラルカラーで全⾝をまとめること。⽩〜ベージュの⾊味を基調にしてシンプルに着こなすのが今季的な装い⽅のコツです。

今季の象徴的スタイルは"決めすぎないリゾート"
リネン×ウールの涼やかな素材にチェンジポケットやサイドアジャスターパンツがクラシック感を添える別注スーツ。タイドアップするなら色柄を多用せず、ベージュ系のタイ&チーフと白無地シャツですっきりとまとめましょう。

リネン×ウールの涼やかな素材にチェンジポケットやサイドアジャスターパンツがクラシック感を添える別注スーツ。タイドアップするなら色柄を多用せず、ベージュ系のタイ&チーフと白無地シャツですっきりとまとめましょう。

南イタリアのシャツブランドが手がけるオフホワイトのジャケットは、副資材を極力省いた軽快な着心地が魅力。ボーダーのカットソーやエスパドリーユでリゾート調にまとめつつ、こちらもニュートラルカラーで統一しています。

南イタリアのシャツブランドが手がけるオフホワイトのジャケットは、副資材を極力省いた軽快な着心地が魅力。ボーダーのカットソーやエスパドリーユでリゾート調にまとめつつ、こちらもニュートラルカラーで統一しています。

コットンとリネンをミックスし、サマーツイード調に織り上げた生地を使用。現代的ナポリ仕立ての最高峰ブランドによるジャケットは、首に吸い付くような極上のフィット感も特徴です。
コットンとリネンをミックスし、サマーツイード調に織り上げた生地を使用。現代的ナポリ仕立ての最高峰ブランドによるジャケットは、首に吸い付くような極上のフィット感も特徴です。
ややクリームがかったオフ白ベースにブラウンのウインドウペーンが走るクラシックな一着。ほのかに光沢を帯びたシルク×リネン素材は、ナチュラルなシワ感で季節感を演出します。
ややクリームがかったオフ白ベースにブラウンのウインドウペーンが走るクラシックな一着。ほのかに光沢を帯びたシルク×リネン素材は、ナチュラルなシワ感で季節感を演出します。
ヨーロッパのリゾートスタイルの趣が漂うワイドピッチのストライプジャケット。こちらはリネン100%で、非常に軽い着心地です。合わせるインナーはシンプルな無地のカットソーやニットが好相性。
ヨーロッパのリゾートスタイルの趣が漂うワイドピッチのストライプジャケット。こちらはリネン100%で、非常に軽い着心地です。合わせるインナーはシンプルな無地のカットソーやニットが好相性。
「サブマリーナー」と名付けられたこちらのスーツは、ライトウェイトなリネン生地を用い、芯地を大幅に省いて軽量に仕立てた春夏仕様。スポーティなパッチポケットも利いています。
「サブマリーナー」と名付けられたこちらのスーツは、ライトウェイトなリネン生地を用い、芯地を大幅に省いて軽量に仕立てた春夏仕様。スポーティなパッチポケットも利いています。

カラースエードこそ
春に使える!

ヨーロッパのリゾートスタイルに⽋かせないアイテムといえばスエードアウター。⽇本でもここ数年、春先の⽻織りものとして⼈気が⾼まっています。今季ならではの特徴は、きれいなカラースエードが充実しているところ。柔らかで贅沢な肌触りに加え、春らしい軽やかさを装いに呼び込めるのが魅⼒です。⼀着で旬を表現できる春の主役として⼤活躍してくれることでしょう。

カラースエードこそ春に使える!

ウォッシュドデニムのような淡いブルーが印象的なジップアップブルゾン。上質なスエードならではのしなやかさが一格上のラグジュアリー感を醸し出します。サマーニットやストライプパンツを合わせ、リゾートを意識して。

スポーティなフーデッドブルゾンも、上品なグレースエードで大人な顔つきに。こちらはコットンニットのライニングを内側に貼り合わせることで春夏でもなめらかな肌触りにしています。
スポーティなフーデッドブルゾンも、上品なグレースエードで大人な顔つきに。こちらはコットンニットのライニングを内側に貼り合わせることで春夏でもなめらかな肌触りにしています。
ヘルノの人気作、ベースボール型ブルゾンのカラースエード版。上質な素材感と軽やかなライトブルーの美発色により、シンプルにカットソーと合わせてもヒネリの利いた印象になります。
ヘルノの人気作、ベースボール型ブルゾンのカラースエード版。上質な素材感と軽やかなライトブルーの美発色により、シンプルにカットソーと合わせてもヒネリの利いた印象になります。
非常に薄く仕立てたゴートスエードによるシャツは、しなやかなドレープ感も魅力的。両胸のポケットに加え、両脇にも隠しポケットを備えており、実は機能的な一着です。
非常に薄く仕立てたゴートスエードによるシャツは、しなやかなドレープ感も魅力的。両胸のポケットに加え、両脇にも隠しポケットを備えており、実は機能的な一着です。
裏地のない一枚仕立てによるシャツブルゾン。やや大きめのボタンがアクセントになっています。ボタンの留め方や袖のまくり方で多彩なニュアンスをつけられるのも使えるポイント。
裏地のない一枚仕立てによるシャツブルゾン。やや大きめのボタンがアクセントになっています。ボタンの留め方や袖のまくり方で多彩なニュアンスをつけられるのも使えるポイント。

バンドカラーシャツが
"ゆったり化"して復権!

襟⽻根のないバンドカラーシャツが数年ぶりに旬へ復帰。ただし、シルエットや着こなし⽅は⼤ きく変わっています。具体的には、⾝頃がゆったりとしたリラックスシルエットのものが主流になり、裾を出して着るのが今季流。ビームスでは、シャンブレーのクレリックやトラッドなオックスフォードなど、⾊柄・素材のバリエーションも幅広くラインナップしています。

バンドカラーシャツが"ゆったり化"して復権!

リラックス感をより際立たせるプルオーバー型のバンドカラーシャツが増えているのも今年の流れ。袖をまくって軽快に着こなすのがおすすめです。第2ボタンまで開け、インナーにチラリと覗かせた白T シャツをアクセントに。

ストライプのシアサッカー素材で仕立てた、清涼感たっぷりのプルオーバーシャツ。リゾートテイストに着こなすなら、縞の幅はこれくらいワイドピッチなほうがこなれて見えます。
ストライプのシアサッカー素材で仕立てた、清涼感たっぷりのプルオーバーシャツ。リゾートテイストに着こなすなら、縞の幅はこれくらいワイドピッチなほうがこなれて見えます。
しっかりとしたシャンブレー素材をベースに、襟元を白地に切り替えたクレリック仕様の一着。本来アメリカンなアイテムですが、プルオーバーとバンドカラーでヒネリを加えています。
しっかりとしたシャンブレー素材をベースに、襟元を白地に切り替えたクレリック仕様の一着。本来アメリカンなアイテムですが、プルオーバーとバンドカラーでヒネリを加えています。
米国のボタンダウンシャツでお馴染みなキャンディストライプのオックスフォードシャツも、バンドカラーになるだけで新鮮な印象に。堅苦しさが抜けて、グッと今どきな表情です。
米国のボタンダウンシャツでお馴染みなキャンディストライプのオックスフォードシャツも、バンドカラーになるだけで新鮮な印象に。堅苦しさが抜けて、グッと今どきな表情です。
マイクロドットがプリントされたこちらは、よく見ると身頃を四角に切り替えたブザムシャツデザイン。フォーマルシャツをルーツとする意匠だけに、どこか優雅な雰囲気が漂います。
マイクロドットがプリントされたこちらは、よく見ると身頃を四角に切り替えたブザムシャツデザイン。フォーマルシャツをルーツとする意匠だけに、どこか優雅な雰囲気が漂います。

こんなものまで!?
リネンの幅が大拡充

春夏の定番素材といえるリネンですが、今年はシャツやジャケットだけでなく、パンツやブルゾンなど実に多彩なジャンルでリネン素材のアイテムを⾒ることができます。さらに、リネン100%のものが多いのも特徴。当然シワにもなりやすいですが、上質なリネンはシワの⼊り⽅が美しく、装いに味を加えてくれます。春夏ならではの素材を堪能してみてください。

こんなものまで!?リネンの幅が大拡充

「ジャケット、パンツともにリネン100%素材で揃えたスタイリング。クラシックな佇まいでありながら軽快に見えるのはリネンならではの魅力です。インナーにはハイゲージのニットポロを合わせて、あくまでも上品に。

キリッとタイドアップしても涼しげに見せるリネンタイ。こちらは裏地のない4つ折り仕立てでいっそう軽やか。
一見デニムジャケット風ながら、こちらもリネン100%。表情豊かな素材感に加え通気性も良好で、さらりとした快適な着心地です。
クラシックなグレンプレイドのパンツも、リネンのシワ感で適度にくつろいだ佇まいに。

上:キリッとタイドアップしても涼しげに見せるリネンタイ。こちらは裏地のない4つ折り仕立てでいっそう軽やか。中:一見デニムジャケット風ながら、こちらもリネン100%。表情豊かな素材感に加え通気性も良好で、さらりとした快適な着心地です。 下:クラシックなグレンプレイドのパンツも、リネンのシワ感で適度にくつろいだ佇まいに。

ストライプパンツなしに
この春夏は語れない

春夏のリラックススタイルを演出するボトムスとして、もはや定番化したといえるストライプパンツ。今年はリゾートテイストへの注目と相まってさらに提案が増え、ほとんどのパンツブランドが打ち出しています。合わせやすい細縞も便利ですが、旬度が⾼いのはワイドピッチのもの。無地のトップスを合わせ、全⾝のトーンを統⼀するとまとまりやすくなります。

ストライプパンツなしにこの春夏は語れない

ストレッチ性を備えたシアサッカー素材による一本。ウエストのドローコードとも相まって、スラリとした美脚ラインながら快適なはき心地を叶えます。ベージュの縞を拾って全身を統一しつつ、旬のイエローを差し色にしました。

インパクトあるネイビー×ホワイトのワイドストライプパンツも、全身を紺系で揃えれば上品にまとまります。PTの「ジェントルマンフィット」は、深めの股上や太めのウエストバンドなどクラシックなデザインが特徴的。
インパクトあるネイビー×ホワイトのワイドストライプパンツも、全身を紺系で揃えれば上品にまとまります。PTの「ジェントルマンフィット」は、深めの股上や太めのウエストバンドなどクラシックなデザインが特徴的。
無地感覚ではける細かなストライプ。ウエストの背中側のみをエラスティックに切り替えた快適仕様のエクスクルーシブモデルです。素材は伸縮性のあるテクニカルなウール。

無地感覚ではける細かなストライプ。ウエストの背中側のみをエラスティックに切り替えた快適仕様のエクスクルーシブモデルです。素材は伸縮性のあるテクニカルなウール。

リラックスパンツの名手として知られるブランドの新作。軽快感のある白ベースに2色使いのストライプを配した柄が目を惹く一本です。春夏らしい佇まいで、装いを華やかにしてくれる効果も。

リラックスパンツの名手として知られるブランドの新作。軽快感のある白ベースに2色使いのストライプを配した柄が目を惹く一本です。春夏らしい佇まいで、装いを華やかにしてくれる効果も。

別注モデル「ニュースコッチ」は、背中側のウエストが上に向かってカーブしたハイバック仕様などサルトリアルなデザイン。同系色のストライプで合わせやすいのも魅力です。

別注モデル「ニュースコッチ」は、背中側のウエストが上に向かってカーブしたハイバック仕様などサルトリアルなデザイン。同系色のストライプで合わせやすいのも魅力です。

今季的リゾートスタイルにも
コンビシューズを

リゾートスタイルの⾜元といえばエスパドリーユが定番でしたが、今季はそれに加えて、よりクラシックなコンビシューズにも注⽬。ストライプパンツやリネンスーツ、ホワイトスーツなど、ここまでご紹介したアイテムと絶好の相性です。あまり重厚なものより、ルームシューズのような柔らかい仕⽴てのものや、ラフィア素材など軽やかな素材のものがイチオシです。

足当たりの柔らかなシボ革をコンビ使いし、ルームシューズのように薄く柔らかなレザーソールを装着。クラシックながらローファーよりもリラックスしたはき心地です。細身のエッグトゥでスマートさも演出。黒と茶(左)の2
足当たりの柔らかなシボ革をコンビ使いし、ルームシューズのように薄く柔らかなレザーソールを装着。クラシックながらローファーよりもリラックスしたはき心地です。細身のエッグトゥでスマートさも演出。黒と茶(左)の2 色展開。
サマーハットにも使われるラフィアをコンビ使いしたアッパーが新鮮な一足。涼しげな素材感がリネンパンツなど春夏素材のウェアとベストマッチです。通気性にも優れているため、蒸し暑い夏にもコンフォートなはき心地。
サマーハットにも使われるラフィアをコンビ使いしたアッパーが新鮮な一足。涼しげな素材感がリネンパンツなど春夏素材のウェアとベストマッチです。通気性にも優れているため、蒸し暑い夏にもコンフォートなはき心地。
Chapter2

クラシック&トラッドは
脱ステレオタイプが肝心

大人のスタイルはルールとセオリーが第一。というのは今や昔の話。伝統を理解しつつ、固定観念にとらわれず自由に着こなすのが時代性ある洒脱さを生む秘訣です。カタい考えを捨てて、感覚を大切に。そうすれば、着慣れた服にもさらなる楽しみが見えてくるはずです。

ダブルブレストは
"くつろいで着る"のが新しい

スーツやジャケットの傾向として顕著なのが、ダブルブレステッドの打ち出し。ただし、従来のように貫禄たっぷりに着るのではなく素材によっては、よりさらりとリラックスしてた着こなすのがおすすめです。ダブルというと重厚なイメージがありますが、あえてそこから脱するところに新鮮さがあるわけです。また、従来の6つボタンに加え4つボタンも増えている点にも注⽬です。

クラシック&トラッドは脱ステレオタイプが肝心
クラシックなブラウンリネンのダブルスーツ。キリッとタイドアップしつつもニットタイを合わせて軽快感を意識したり、前ボタンを開けて羽織るように着こなしたりと、カチッと決めすぎないのが今の気分です。

クラシックなブラウンリネンのダブルスーツ。キリッとタイドアップしつつもニットタイを合わせて軽快感を意識したり、前ボタンを開けて羽織るように着こなしたりと、カチッと決めすぎないのが今の気分です。

シアサッカー素材によるシャツジャケットは、ボーダーニットやショーツなど夏アイテムと好相性。前ボタンを開けたときのゆったりとしたシルエットがリラックス感を醸し出します。無造作に袖をまくってラフな味付けをプラス。

シアサッカー素材によるシャツジャケットは、ボーダーニットやショーツなど夏アイテムと好相性。前ボタンを開けたときのゆったりとしたシルエットがリラックス感を醸し出します。無造作に袖をまくってラフな味付けをプラス。

春夏の風物詩といえるコットンソラーロ素材を採用。美しい光沢感も備えており、太陽の光を浴びると表情が複雑に変わる玉虫色が特徴です。カジュアルにも着こなしたい一着。

春夏の風物詩といえるコットンソラーロ素材を採用。美しい光沢感も備えており、太陽の光を浴びると表情が複雑に変わる玉虫色が特徴です。カジュアルにも着こなしたい一着。

大きくカーブを描くラペルが特徴的なスティレラティーノのダブルブレスト。モデルはやや着丈が短めの「レオ」で、クラシック感を保ちつつ軽快感のある絶妙なバランスです。

大きくカーブを描くラペルが特徴的なスティレラティーノのダブルブレスト。モデルはやや着丈が短めの「レオ」で、クラシック感を保ちつつ軽快感のある絶妙なバランスです。

ベーシックな紺ブレザーも、4つボタンになるとリラックスした印象に。独特の抜け感が生まれるのがポイントです。こちらは芯地を省いた軽やかな仕立ての「バタフライ」モデル。

ベーシックな紺ブレザーも、4つボタンになるとリラックスした印象に。独特の抜け感が生まれるのがポイントです。こちらは芯地を省いた軽やかな仕立ての「バタフライ」モデル。

サマーカシミア100%によるラグジュアリーなジャケット。肌触りの良さはもちろん、着用時のドレープ感も非常に柔らかで、着心地も見た目も堅苦しさを全く感じさせません。

サマーカシミア100%によるラグジュアリーなジャケット。肌触りの良さはもちろん、着用時のドレープ感も非常に柔らかで、着心地も見た目も堅苦しさを全く感じさせません。

チルコロの十八番であるジャージー素材を用いたダブルジャケット。カットソーなどと合わせてカジュアルに着こなしても、シックなネイビーと美シルエットにより上品な佇まいを演出。

チルコロの十八番であるジャージー素材を用いたダブルジャケット。カットソーなどと合わせてカジュアルに着こなしても、シックなネイビーと美シルエットにより上品な佇まいを演出。

アイビーライクな
マドラスチェックが再燃!

トラッドリバイバルの流れを受けて、アイビーのアイコンであるマドラスチェックが再び注⽬ を浴びています。数年前に流⾏したときはイタリア的なアレンジを施されたものが多数でしたが、今回復権しているのはよりリアルなマドラス柄。それだけに着こなしを誤ると時代錯誤なコスプレ風になりかねません。セオリーから離れて⾃由に着るのが⼤切です。

アイビーライクなマドラスチェックが再燃!

英国名門フォックス ブラザーズのマドラスチェック生地を採用し、定番のスイングトップをアップデート。ここに白デニムだとアイビー感が強すぎるためインディゴデニムを合わせ、全体をネイビーベースでシックにスタイリング。

ナポリ仕立て×マドラスチェックという今までになかった組み合わせ。襟をやや広めに修正した「ヴィンチェンツォ」モデル。
ナポリ仕立て×マドラスチェックという今までになかった組み合わせ。襟をやや広めに修正した「ヴィンチェンツォ」モデル。
サラリとしたコットン素材のボタンダウン。タイドアップにも使える一枚。
サラリとしたコットン素材のボタンダウン。タイドアップにも使える一枚。
春先にブルゾンやジャケット代わりとして使えるリネンのロングコート。落ち着いた色使いなので着慣れていない方も取り入れやすいはず。
春先にブルゾンやジャケット代わりとして使えるリネンのロングコート。落ち着いた色使いなので着慣れていない方も取り入れやすいはず。

ミリタリーパンツに
"選べる楽しさ"が

リアルミリタリーに近いワイドシルエットのカーゴパンツが昨年ブームになったのは記憶に新しいところですが、今季はより多彩なデザインのものが続々登場。ベイカーパンツやウエストをリラックス仕様にしたハイブリッド型などが各ブランドから提案され、万人がはきこなしやすいスリムシルエットのものも増加。昨年は少々抵抗を感じていた方も、今年は安心して試せるはずです。

ミリタリーパンツに"選べる楽しさ"が

マチ付きのLポケットが特徴的なベイカーパンツ。本来はワイドシルエットですが、こちらは大人に馴染みのある、程よいゆとりのあるテーパードシルエットです。コットン×リネンのさらりとした肌触りも心地よい一本。

腰回りと太ももにゆとりを持たせつつ、裾をすっきりと絞り込んだ「スペースフィット」。マチなしのカーゴポケットやプリーツ入りのフロントなど、イタリア的なアレンジが随所に光ります。
腰回りと太ももにゆとりを持たせつつ、裾をすっきりと絞り込んだ「スペースフィット」。マチなしのカーゴポケットやプリーツ入りのフロントなど、イタリア的なアレンジが随所に光ります。
しっかりとハリがありながらストレッチ性を備えたファブリックを使用。このブランドの代名詞であるエラスティックリブのウエストは、腰回りにフィットしつつノンストレスなはき心地。
しっかりとハリがありながらストレッチ性を備えたファブリックを使用。このブランドの代名詞であるエラスティックリブのウエストは、腰回りにフィットしつつノンストレスなはき心地。

手持ち服を一新する
「バンダナ柄」も注目

カジュアルブランドで昨年から⾒られたバンダナ柄プリントの提案が、クラシック系ブランドにも波及。アメリカンテイストが⾊濃く薫る佇まいが新鮮です。とはいえ、全⾝をアメリカンにまとめる必要はナシ。⼿持ちのベーシックアイテムに合わせ、プリント柄の⼀種として気楽に取り⼊れるのがおすすめです。ここでは⼤⼈ っぽく着られる紺系をピックアップしました。

リゾートテイストのオープンカラーシャツにバンダナ柄をプリント。アメリカのイメージに引っ張られず、ショーツとエスパドリーユでリゾート風にまとめて、あくまで大人らしく合わせました。

リゾートテイストのオープンカラーシャツにバンダナ柄をプリント。アメリカのイメージに引っ張られず、ショーツとエスパドリーユでリゾート風にまとめて、あくまで大人らしく合わせました。

リラックスパンツを得意とするイタリアブランドもバンダナ柄を提案。パッチワーク調の凝った柄が目を惹きます。ウエストにはアウトドアパンツのようなウェビングベルトを装備しています。

リラックスパンツを得意とするイタリアブランドもバンダナ柄を提案。パッチワーク調の凝った柄が目を惹きます。ウエストにはアウトドアパンツのようなウェビングベルトを装備しています。

Chapter3

装いが⼀気に華やぐ
爽やかな春⾊が帰ってきた!

コロニアル調の落ち着いた色味が中心だった昨年から一転、この春夏は鮮やかなカラーの提案が急増しています。正しい活用法を知れば派手に転ばず、装いをリフレッシュしてくれるはず。今季はポジティブに、色を楽しみ尽くしましょう!

コツさえ知れば
ピンクは怖くない

さまざまなブランドでカラフルな⾊使いが⽬⽴つ今季の中でも、もっとも⼤きな流れとなっているのがピンクの提案。旬の⾊を語るのに⽋かせないカラーです。幅広いトーンが出ていますが、ビームスでは鮮やかで明るいピンクを中⼼に揃えました。ホワイトやグレー、ブラックなど実は幅広い色 と好相性です。派⼿派⼿しく⾒えず、爽やかな印象になります。

装いが⼀気に華やぐ爽やかな春⾊が帰ってきた!

1.ピンクと白がミックスされた表情あるリネンコットン製。 2.ジャケットのインナーに覗かせたいワイドストライプ。3.ピンク入門に、こんなカットソーを試してみるのもおすすめ。4.ややローズがかったピンクパンツ。薄手の生地で涼やかな肌触り。 5.サルトリアルなサイドアジャスターパンツ×ピンクという新鮮な組み合わせ。 6.メランジカラーのニットは一枚でもサマになります。7.リラックス感あふれるカプリシャツ。

紺ブレ、白シャツの定番スタイルをピンクのパンツで刷新。色柄が喧嘩しないよう、ベーシックアイテムと合わせるのが鉄則です。
紺ブレ、白シャツの定番スタイルをピンクのパンツで刷新。色柄が喧嘩しないよう、ベーシックアイテムと合わせるのが鉄則です。
コツさえ知ればピンクは怖くない
着こなしが難しそうなピンクのニットですが、明るめのグレーパンツと合わせると品よくまとまります。白のカットソーを首と裾にチラ見せして抜けを作っている点にも注目。こってり見せず、極力シンプルにまとめるのが吉です。

着こなしが難しそうなピンクのニットですが、明るめのグレーパンツと合わせると品よくまとまります。白のカットソーを首と裾にチラ見せして抜けを作っている点にも注目。こってり見せず、極力シンプルにまとめるのが吉です。

クラシックなサマーツイードのグレンプレイドジャケットですが、よく見るとオーバーペーンがピンク。こんなさりげない配色のものも登場しています。インナーにはボルドーのポロシャツを合わせ、同系色でコーディネートしました。

クラシックなサマーツイードのグレンプレイドジャケットですが、よく見るとオーバーペーンがピンク。こんなさりげない配色のものも登場しています。インナーにはボルドーのポロシャツを合わせ、同系色でコーディネートしました。

"主役にイエロー"
で春夏を楽しく!

ピンクと並んで多く⾒られるのがイエローの提案。ジャケット、パンツ、アウターなど、コーディネートの主役になるようなものにもイエローが登場しています。着こなしの鍵はやはり同系⾊の合わせ。ベージュや⽩のアイテムを活⽤して、全体を馴染ませるように組み⽴てていくときれいにまとまります。着こなしの幅を広げるためにぜひ取り⼊れたい⾊です。

"主役にイエロー"で春夏を楽しく!

シルクとリネンをミックスし、ところどころにネップを立たせたサマーツイード生地。カントリー調の素材感がイエローを程よく落ちつかせています。ベージュ系のシャツとパンツを合わせてグラデーションでまとめました。

ベージュに近いペールイエローのニットは、幅広いアイテムと合わせやすい一枚。レーヨンとペーパー(紙)をミドルゲージに編み立てたユニークな素材使いも印象的です。
ベージュに近いペールイエローのニットは、幅広いアイテムと合わせやすい一枚。レーヨンとペーパー(紙)をミドルゲージに編み立てたユニークな素材使いも印象的です。
印象的な濃いめのイエローパンツ。上品な光沢感がある生地を採用しており、独特の華やかさを湛えています。ジャケットとコーディネートしてエレガントに着こなしたいアイテム。
印象的な濃いめのイエローパンツ。上品な光沢感がある生地を採用しており、独特の華やかさを湛えています。ジャケットとコーディネートしてエレガントに着こなしたいアイテム。
グローブ」シリーズより。淡いイエロートーンのナイロンは、なんとタマネギの色素で染めたもの。水を弾くため梅雨時にも活躍するアイテムです。
地球環境に配慮した「ヘルノ グローブ」シリーズより。淡いイエロートーンのナイロンは、なんとタマネギの色素で染めたもの。水を弾くため梅雨時にも活躍するアイテムです。

グリーンが今後、
定番⾊になる!?

グリーンのアイテムも各ブランドの打ち出しに⽬⽴っていました。なかでも注⽬したいのが、着こなしに新鮮さを与えてくれるグリーンスーツ。昨今、ネイビーやグレーに続いてブラウンスーツも定着しつつありますが、さらにその“次”としてグリーンが台頭してきそうな気配。この流れは秋冬も続いていきますので、今のうちからぜひともチェックをしておいてください。

フランスの名門ドーメルのモヘアウールで仕立てたスーツは、美しい光沢と仕立て映え抜群のハリコシが特徴。馴染みが薄いグリーンですが、白以外にネイビーとも相性がよく、実はコーディネートがつくりやすい色です。

フランスの名門ドーメルのモヘアウールで仕立てたスーツは、美しい光沢と仕立て映え抜群のハリコシが特徴。馴染みが薄いグリーンですが、白以外にネイビーとも相性がよく、実はコーディネートがつくりやすい色です。

シアサッカー素材によるプルオーバーシャツ。淡いグリーンのストライプは、紺白ストライプにマンネリを感じたときにもおすすめです。ゆったりとくつろいだシルエットも今の気分。
シアサッカー素材によるプルオーバーシャツ。淡いグリーンのストライプは、紺白ストライプにマンネリを感じたときにもおすすめです。ゆったりとくつろいだシルエットも今の気分。
エルネストが得意とするネイティブ調のストライプ柄にも、今季はグリーン系が登場。芯地を極限まで省いた仕立てながら、ラペル回りにしっかり立体感があるのがこのブランドならでは。
エルネストが得意とするネイティブ調のストライプ柄にも、今季はグリーン系が登場。芯地を極限まで省いた仕立てながら、ラペル回りにしっかり立体感があるのがこのブランドならでは。
ピッティに集うウェルドレッサーたちの間でも、グリーンやイエローを取り入れる流れあり。共通しているのは、他のアイテムをできるだけシンプルにして、気張らずにまとめている点。多色・多柄使いで飾り立てすぎると古臭く見えてしまうので注意が必要です。
ピッティに集うウェルドレッサーたちの間でも、グリーンやイエローを取り入れる流れあり。共通しているのは、他のアイテムをできるだけシンプルにして、気張らずにまとめている点。多色・多柄使いで飾り立てすぎると古臭く見えてしまうので注意が必要です。

モノトーンで
春夏もフレンチに!

鮮やかな⾊が復権する⼀⽅で、秋冬から続くフレンチトラッドの流れを受けたモノトーンアイテムが春夏シーズンにも多く⾒ 受けられます。春夏ならではのものとしては、⽩⿊のボーターカットソーなどが注⽬どころ。着こなしに関しても、全体をモノトーン中⼼でまとめてフレンチ的に装うのが時代の気分といえます。シンプル&シックにまとまるのが魅⼒です。

モノトーンで春夏もフレンチに!

黒のカーディガンに白黒ボーダーT、ホワイトデニムという組み合わせは、1980 年代フレンチトラッドの定番スタイル。往時を意識しつつ、シルエットなどをアップデートした今流フレンチに着こなすのがおすすめです。

カジュアルなギンガムチェックのボタンダウンシャツも、モノトーンの配色でシックな雰囲気に。スリムフィットの現代的なシルエットで、ノータイでもタイドアップでもサマになる一着です。
カジュアルなギンガムチェックのボタンダウンシャツも、モノトーンの配色でシックな雰囲気に。スリムフィットの現代的なシルエットで、ノータイでもタイドアップでもサマになる一着です。
コットン、リネン、シルク、ナイロン四者混素材のチェックジャケットは、格子がにじんだようなニュアンスある柄ゆき。ドライタッチで春夏にふさわしい清涼感も兼ね備えています。
コットン、リネン、シルク、ナイロン四者混素材のチェックジャケットは、格子がにじんだようなニュアンスある柄ゆき。ドライタッチで春夏にふさわしい清涼感も兼ね備えています。
ピッティではリネンやシアサッカーによる黒スーツスタイルも多く見られました。モードとは違うブラックの使い方に注目です。
ピッティではリネンやシアサッカーによる黒スーツスタイルも多く見られました。モードとは違うブラックの使い方に注目です。

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