西口修平の気になる10のモノ
Nishiguchi ’s Closet

西口修平の
気になる10のモノ

BEAMS Fのディレクターを務める西口修平が、
今季気になる10のアイテムをフィーチャー。
彼の私物を織り交ぜながら、
西口流2020年春夏のおすすめスタイルをお届けします。

Photo / Osami Watanabe[Sammy Studio]
Text / Yasuhiro Takeishi[City Writes]
Special Thanks / Issei Inada

01

Stile Latinoの
オリーブスーツ

「他にはない素材使いに定評がある〈スティレ ラティーノ〉のスーツは、実は毎シーズン購入しています。なかでも今シーズンの新作は、英国の乗馬服やミリタリーウェアに用いられている表情豊かなキャバルリーツイル、しかもオリーブカラーという、男らしい素材感に惹かれましたね。着こなしはキャバルリーツイルの骨太さやカジュアルさに馴染むシャンブレーシャツと、ブルー系にオリーブと相性の良いベージュやレッドが組み合わされたレジメンタルタイで、今季的なブリティッシュアメリカンテイストを意識しました。足元はローファーのような、軽快なスリッポンが気分ですね」
ビームスエクスクルーシブのキャバルリーツイルは、コットンシルクウールで着心地は柔軟かつ軽やか。適度に太いラペルの「ヴィンチェンツォ」モデルがマッチ。パンツはサイドアジャスター仕様。

Stile Latinoのオリーブスーツ

イタリアの色気と英国の
男らしさを兼ね備えるスーツを
アメリカ的に着こなす

02

Invertereの
ソラーロ
サファリジャケット

「今季も注目のソラーロですが、その由来はミリタリーなのでスーツやジャケットだけでなく、サファリジャケットなどラギッドなアイテムに組み合わせてみたかったんです。そんな新鮮味のあるアイテムだけに着こなしも楽しんでみたく、同系色でまとめていますがあえてスーツもソラーロにして3ピースのように着こなすのが面白いかなと。自分でも難易度が高いかなと思いましたが、ボタンは留めずベルトのみでラフに巻き、袖口もまくってこなれ感を出すと、意外にもすんなり馴染みます。このように、ときには既成概念を覆すこともファッションの醍醐味です」
玉虫色が非常に美しい英国スミス・ウーレン社のソラーロ生地で仕立てたサファリジャケット。ボタンやベルトバックル、着丈を調整した別注モデルです。土臭くならず、大人らしく上品に羽織れます。

ソラーロサファリジャケット

ミリタリー由来のソラーロ生地と
骨太なサファリジャケットが
織りなす新鮮な装い

ミリタリー由来のソラーロ生地と骨太なサファリジャケットが織りなす新鮮な装い

03

Letroyesの
ボーダーカットソー

「男性は齢を重ねるにつれ、どうしてもTシャツが似合わなくなってくるもの。とはいえ春夏には心地よく、やはり着たいので、何らかの対策が必要です。私はよくボーダーTシ ャツを着ていますが、〈ルトロア〉のように細ピッチでしかもニット素材ならば、上品で大人らしく着られます。ジャケットのインナーにもしっくりハマるですが、裾をパンツアウトするとだらしなく見えるので、最近はもっぱらタックインして全体のバランスを取るように心がけています。私のワードローブには紺ブレやジーンズといった定番的なアイテムが多いのですが、このカットソーにもそれに通ずる普遍性を感じています」

ややゆとりのある身幅により、一枚でもリラックスした雰囲気で着こなせるクルーネックニットソー「トマ ショート」。細ピッチのボーダーとニットソーの繊細な表情はフランス製ならでは。

Letroyesのボーダーカットソー

細ピッチ&ニット素材で
大人の男性が気負わず着られる
上品ボーダーカットソー

04

Enzo Bonafeの
ブラックスエード
ビットローファー

「最高のビットローファーを作りたく〈エンツォ ボナフェ〉にオーダーしたエクスクルーシブモデル。今シーズンは今の気分でもあるフレンチカジュアルにもマッチするブラックスエードをオーダーしました。旬のワイドパンツから裾が細めのテーパードパンツまで合う絶妙なフォルムや、マットゴールド仕上げのビット装飾など、とても合わせやすい一足に仕上がっています。メゾンブランドの靴を長年作り続けてきたブランドだけに、高級感も十分。ドレッシーなウールパンツからヴィンテージのデニムまで合わせられる懐の深さがこの靴の魅力です」
先シーズン登場の大人気ビットローファーのブラックスエードモデルは、ビームスのエクスクルーシブ。ソールの返りがいいトゥボラーレ製法ではき心地抜群。インソールにはレトロな旧ロゴネーム付き。

Enzo Bonafeのブラックスエードビットローファー

注目のブラックスエードで
この春夏最も活躍する
ビットローファーをオーダー

05

Cinquantaの
ブラウンスエードシャツ

「軽やかに羽織れるシャツアウターが今季ビームスには充実していますが、なかでも個人的に気に入っているのがこの〈チンクワンタ〉のスエードシャツです。ありそうでなく、これまで持っていなかったアイテムだけに、さらりと羽織っても高級感があって子供っぽく見えないのが魅力です。私の定番コーディネートであるブラックのインナーと軍パンにレイヤードするだけで、こなれつつも大人らしいスタイルにまとまります。ジャケットよりもリラックス感があり、ブルゾンよりも上品。そんな大人の休日に求められる要素をバランスよく備えた、一枚はワードローブに加えたいアイテムですね」
英国軍のヴィンテージアーミーシャツがベースの開襟スエードシャツは、柔軟かつなめらかで光沢もあるゴートスエード製。裏地なしの一枚仕立てながら、裏面のスムース加工で軽く滑りのいい着心地。

Cinquantaのブラウンスエードシャツ

軽やかながらも大人らしい
上質なスエードシャツは
ワードローブに加える価値あり

06

Bernard Zinsの
リネントラウザーズ

「クラシックスタイルでは珍しく、ここ数シーズンはブラックが注目されています。今季も本命カラーのひとつですが、これはフレンチの空気感からくるもの。〈ベルナール ザンス〉のブラックリネンのワイドパンツも、南仏を彷彿とさせる雰囲気です。リネンで黒というのも新鮮で、ハリコシもあるため、シルエットがきれいに出てエレガントにはけます。少しフレンチを意識して、ライダーズに黒白のボーダーTシャツを合わせ、トレンドのモノトーンでコーディネート。足元はブラックスエードのコインローファーをチョイスすることで、トラッド感を加えつつ自分らしさを表現しました」
既存モデルより股上を深めにアレンジした、別注のワイドパンツ。しっかりとしたブラックのリネン100%生地ゆえ、美しいシルエットがひと際引き立ちます。2インプリーツのサイドアジャスター付き。

Bernard Zinsのリネントラウザーズ

モードではなくクラシックな
ブラックのリネンパンツで
新鮮なフレンチスタイルを体現

07

Carusoの
4Bダブルジャケット

「〈カルーゾ〉のジャケットは、絞りの少ないウエストや4つボタン、低めのゴージラインも相まって無国籍な雰囲気があり、ボーダーレスな現代性を感じさせます。昨シーズンから買い付けているモデルですが、今季はシックな白黒のグレンプレイドをチョイス。柄はクラシックなのにシルエットは少しゆったりしているという着た時の絶妙な格好良さがこの一着にはあります。これもやはりモノトーンでこなすのが気分で、ブラックのニットとパンツでモダンなドレススタイルを演出しました。 ミニマルになりすぎないよう、首元のスカーフや素足ばきしたスリッポンでアクセントを加えています」
リネンウールのグレンプレイドを用いた新作は、4つボタンの下ひとつ掛けで都会的なリラックス感が魅力。ブランドを代表するアンコン仕様の「バタフライ」モデルで羽織るような着心地です。

Carusoの4Bダブルジャケット

国柄にとらわれない
無国籍さが現代とリンクする
新感覚ジャケットの価値

国柄にとらわれない無国籍さが現代とリンクする新感覚ジャケットの価値

08

Barbourの
フィッシングジャケット

「春のアウターは着丈の長いコート類が定番ですが、今春は久々にショート丈のブルゾンに袖を通したい気分です。そこで注目したのが〈バブアー〉のクラシックなフィッシングジャケット“スペイ”。ショートブルゾンは合わせ方が難しいと思われがちですが、そのポイントはレイヤードです。短い着丈を逆に活かし、ジャケットの上から羽織って裾をあえて出すことで、レイヤード自体を楽しむのが私の気分。シルエットはゆったりめのクラシックフィットであるスペイは、着心地も軽やかでレイヤードを楽しむには最適な一着なんです。春らしい軽快感も申し分ないので、ぜひトライして頂きたいです」
微細な起毛加工を施したピーチドコットン素材で別注した傑作モデル「スペイ」。ワックスコットンのようなラギッドさとなめらかさを備えつつ、軽量で扱いも容易です。オリーブとホワイトの2色展開。

Barbourのフィッシングジャケット

難度が高いと敬遠しがちな
ショートブルゾンで
軽やかなレイヤードを楽しむ

09

Glenroyalの
キャンバス×レザーバッグ

「ひとつの国柄にとらわれないミックススタイルは、ここ数シーズンのキーワードになっています。そんな傾向を踏まえ、英国の〈グレンロイヤル〉に別注したのがこのキャンバスバッグです。インラインにあるモデルですが、ボディとハンドルの色はアメリカンな配色にこだわりました。英国的な作りとアメリカ的なカラーリングといういまどきなミックスで、旬のプレッピースタイルにぴったりなバッグに仕上がったと思います。キャンバスバッグは僕の春夏の定番バッグですが、こちらはバケツ型のフォルムなのでかなりの大容量。ハンドルを着脱すれば洗濯できるのも実はこだわったポイントなんです」
軽く丈夫なコットンキャンバスに、〈グレンロイヤル〉の代名詞ブライドルレザーのハンドルを組み合わせた、バケツ型トートバッグを配色別注。ハンドルは長さ調節できるのでシーンに合わせてアレンジ可能。

Glenroyalのキャンバス×レザーバッグ

アメリカンなカジュアルさと
ブリティッシュの上品さを
ミックスしたバッグが現代的

10

Maison Gauchosの
ガウチョベルト

「時折見かける、ヨーロッパの上流階級の人々がドレススタイルに巻いている姿に粋な遊び心を感じるガウチョベルト。元は南米のカウボーイたちが身につけていた土着的なアイテムですが、ヨーロッパでは乗馬やポロ競技、ロデオに用いられたり、カジュアルからドレスにまで合わせられたりと、幅広く親しまれており、大人のハズしにはもってこいのアイテムなんです。本場アルゼンチンの〈メゾン ガウチョ〉に幅、配色とも完全別注したのですが、スエードのGジャンやUSアーミーチノといったカジュアルなスタイルに巻いてもアクセントになります。または上流階級風にスーツスタイルへ巻くのも面白いでしょう」
アルゼンチンのブエノスアイレスのアトリエにて、昔ながらの製法で生産されているガウチョベルト。厚みのあるしなやかな上質レザーを用いた3.0cm幅で、デニムからスーツにまで幅広く合わせられます。

Maison Gauchosのガウチョベルト

スタイルの要であるウエストに
粋な遊び心あふれる
大人のハズしをプラス

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