こだわりのある大人たちに聞いたちょっと素敵なエピソード

いまさらスーツを着ろだなんて……

「いまどきスーツ着るなんて、めんどくさいよね」。
そんなことを言われる時代。でも……、
スーツはやっぱり男性を魅力的に見せてくれるものです。
そこで、こだわりのある大人たちに、
スーツにまつわるちょっといい話を聞いてみました。

Photo / Isao Hashinoki Styling / Akihiro Shikata Hair / Kotaro (Sense of Humour)
Writing / Yasuhiro Takeishi (City Writes) Model / Alban Rassier

いまや春夏でもスタンダードなダブルブレストスーツ。程よい構築感のある別注モデルのスーツは、ネイビーのウールモヘア製で凛々しい雰囲気です。ライラックカラーのシャツとパープルの幾何学柄タイを合わせたブリティッシュテイストのコーディネートは、貫禄十分ですが軽快な仕立てによって色気も漂います。

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スーツは不思議に完成された鎧だと思う、身を包むとその力でむしろ心が解放されるんです。
本木雅弘

今季の注目カラーのひとつがグリーン。なかでもやや明るいエメラルドグリーンなら、春夏らしいフレッシュな軽快感を演出できます。そんなエメラルドを柄色に用いたウインドウペーン柄のスーツは、タイで色を拾うのがおすすめ。無地のサックスシャツを合わせれば、スーツとタイの色柄が美しくが引き立ちます。

Profile
1965年生まれ。自ら企画し主演した映画『おくりびと』で日本映画初となる米アカデミー賞外国語映画賞等多数の映画賞を受賞。CM界でも独自の存在感を放ち、名実ともに活躍する実力派。現在NHK大河『麒麟がくる』出演中。

仕事のスイッチを入れてくれるのがスーツ。身が引き締まります。
鈴木啓太

日差しに映えるソラーロのスーツは夏の定番アイテム。清涼感あるリネンコットンのカーキ系ソラーロのスーツは、同じく注目のイエローストライプのシャツにベージュの入ったストライプタイというように、同系色でVゾーンをまとめるとシックで落ち着きのある雰囲気に。明るい色目でまとめながらも上品な装いです。

Profile
元サッカー日本代表。現在はサッカーの普及に関わるとともに、AuB株式会社を設立。アスリートの腸内細菌を解析、コンディショニングサポート事業を手がける。

自分に完璧にフィットするお気に入りの一着は、理想的な体形を維持するためのものさしになっています。
上野金太郎

クラシックスタイルでは珍しく、ブラックが旬の今季。〈タリアトーレ〉の新作セットアップは黒地にベージュのストライプが新鮮であり、クラシックなアイテムとも好相性です。柄色のベージュに馴染むイエローのサマーニットをコーディネートすれば、モダンで洗練されたオフスタイルが完成します。

Profile
1964年東京都生まれ。87年早稲田大学卒業後、メルセデス・ベンツ日本に新卒採用一期生として入社。営業、広報、社長室やドイツ勤務などを経て、12年に代表取締役社長に就任。歴代初の日本人社長となり、就任以降、プレミアムブランドNo.1を獲得し続けている。現在、東京・六本木のブランド情報発信拠点「メルセデスミー」で、日本そば界の歴史を変えたと称される「港屋」の創業者・菊地剛志のディレクションのもと「Minatoya 3」を営業中。

普段、クリエイティブな仕事が多い自分にとって、スーツはスイッチ。会社の代表として人前に出る時、スーツを着ると社長スイッチがオンになります！
小山薫堂

ここ数シーズンで定番化した観のあるグレンプレイド柄のスーツ。この春夏はカラーペーンが入らない、白黒で構成された英国調の正統なものが気分です。着こなしもタブカラーシャツといった英国を基調としつつ、黒地にイエロー小紋のヴィンテージ調のタイや同じく黒地のチーフを合わせ、モノトーンでまとめるのが今季的。

Profile
1964年熊本県生まれ。放送作家、脚本家。『料理の鉄人』など多くのTV番組を企画。脚本を手がけた映画『おくりびと』では、アカデミー賞外国語映画賞受賞。「ビームスジャパン」の総合アドバイザーも務める。

50代になってある先輩から、「やっとスーツを着る役が似合ってきたな」と言われ大人の俳優の仲間入りをした気がしました。
光石研

アイビー&プレッピーがキーワードの今季。春夏にうってつけなシアサッカースーツに注目が集まっています。ただし、リネンコットンのボタンダウンシャツや80年代風のヴィンテージ調のタイなど、モダンにアップデートした着こなしが不可欠。色使いをホワイトとブルーに絞ることで、爽やかで洗練されたトラッドに。

Profile
1961年福岡県生まれ。『ひよっこ』『アウトレイジビヨンド』『バイプレイヤーズ』などの話題作に出演。2019年『デザイナー渋井直人の休日』では初のドラマ単独主演を務めた。テレビ東京ドラマBiz『病院の治しかた』、MBS・TBS系ドラマイズム『死にたい夜にかぎって』に出演中。

現役時代は桜のジャージーが、いまはスーツが私に勇気をくれている。
大畑大介

今季トライしたいブラウンスーツ。快適さに加え、陰影で重々しく見えないコットンシアサッカーなら着やすいはず。ポロシャツやカットソーなど、リラックスした雰囲気のものと好相性です。オリーブのスキッパーポロにマスタードのネッカチーフを利かせるとモダンなカジュアルスーツスタイルに仕上がります。

Profile
ラグビー日本代表のトライゲッターとして、W杯に2大会（1999年、2003年）出場。代表試合トライ数69は世界記録。昨年のラグビーW杯日本大会では、アンバサダーとして大会成功を陰で支えた。

スーツは胸の筋肉がないと似合わない。だから、いつまでも胸筋を鍛えていたいと思うのだ
鹿島茂

ワードローブに不可欠なネイビーチョークストライプスーツ。ストライプ柄のクレリックシャツや黒地のヴィンテージ調のタイを合わせた、シックな英国調のコーディネートなら新鮮に着こなせます。パターン・オン・パターンの組み合わせですが、アイテムごとに柄のスケールを変えれば難なく攻略できます。

Profile
フランス文学者。明治大学教授。専門は19世紀フランス文学。『職業別パリ風俗』で読売文学賞評論・伝記賞を受賞するなど数多くの受賞歴がある。膨大な古書コレクションを有し、東京都港区に書斎スタジオ「NOEMA images STUDIO」を開設。

舞台の初日と千穐楽はスーツで劇場に。カッコイイ先輩に教わりました。
谷原章介

秋冬のイメージが強いブラウンスーツをこの春夏はあえて提案。ワイドピッチのストライプ生地はウールリネンの英国製で、清涼感のある着心地です。ベージュ×ネイビーのストライプシャツにブラウンベースのヴィンテージ調タイなど、茶系の色を拾うコーディネートにより、すっきりとした清潔感のある粋な装いに。

Profile
1995年映画『花より男子』道明寺司役で俳優デビュー。以後ドラマ、映画、舞台、CMなど多数出演。司会やナレーションなど幅広く活躍。20年NHK大河ドラマ『麒麟がくる』に出演中。

つねに美しいフォームで泳ぐことにこだわってきた。スーツを着るときも同じ。その姿勢が結果につながるはずだと思います。
北島康介

今シーズンから取り扱うナポリスーツは、イタリアらしいグレーがかったブルーのコットン生地が新鮮。英国的なオルタネイトストライプのタブカラーシャツやヴィンテージテイストのボルドーのペイズリープリントタイなど、多彩なテイストをミックスさせた着こなしが今季的であり、スーツの色合いも一層引き立つのです。

Profile
15歳から水泳を始め、オリンピック競泳での日本人唯一の2種目2連覇を達成。現在は東京都水泳協会の副会長、日本コカ・コーラのチーフ・オリンピック担当・オフィサーを務める。

スーツという定形化された形式のなかに個性が生まれたとき、本当の自由がそこにあるように思う。
谷尻誠

注目のグリーンのなかでも、光の当たり具合でグレーにもブラウンにも見える、絶妙なダークグリーンのウールリネンスーツはとても着やすい一着。白シャツやベージュを含む白黒基調のタイでシックに着こなしながらも、シャツはリネン、タイは素材感のあるもので合わせるとより馴染みます。

Profile
1974年広島生まれ。2000年、建築設計事務所SUPPOSE DESIGN OFFICE設立。広島・東京の2ヵ所を拠点とし、インテリアから住宅、複合施設まで国内外合わせ多数のプロジェクトを手がける傍ら、穴吹デザイン専門学校特任講師、広島女学院大学客員教授、大阪芸術大学准教授なども勤める。

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